消費者、企業、行政の役割
私たちは、さまざまな情報や商品に囲まれ、必要なものを選ぶために多様な視点から考えることが求められています。そこで、消費者として必要な情報を集めて判断することが重要です。消費者には「8つの権利と5つの責任」があります。権利と責任がどのように関わっているのか考えてみましょう。
消費者の8つの権利
私たち消費者が、安全で安心できる消費生活を実現するために、消費者団体の国際的組織である「国際消費者機構(CI)」が次の「8つの権利」を提唱しています。このうち②~⑦の権利は、消費者基本法の第2条においても定められています。
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基本的な需要が満たされる権利
(生活の基本的ニーズが保障される権利)生活に必要なものが保障される。
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安全が確保される権利(安全を求める権利)
健康や命に関わる危険な商品によって消費者が、危害を受けることがないように保障される。
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知らされる権利
商品を選ぶときに、品質や原材料などの表示を見たり、お店の人から説明を聴き、商品について情報を得ることができる。
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選択する権利
自分自身で必要な商品やサービスを自由に選択して購入することができる。
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意見が反映される権利
企業や消費生活センターなどに意見を申し出たときに、意見が反映されて対応策がとられる。
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被害の救済を受けられる権利(補償を受ける権利)
被害を受けて企業や消費生活センターなどに相談したときに、苦情を適切に処理してもらうことができる。
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消費者教育を受けられる権利
悪質商法などによる消費者被害や、製品事故に遭わないように、消費生活について学校や家庭で学ぶことができる。
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健全な環境が確保される権利
(健全な環境を享受する権利)健全な生活環境の中で働き、生活することができる。
消費者の5つの責任
権利が与えられる反面、私たちには消費者として果たすべき責任があります。「国際消費者機構(CI)」は、次の「5つの責任」を提唱しています。
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商品や価格などの情報に疑問や関心を持つ責任
(批判的意識を持つ責任)広告やインターネットの口コミなどから与えられた情報をうのみにせず自分で情報を集め、どの商品やサービスを選択するかを考える。
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公正な取引が実現されるように主張し、行動する責任
(主張し行動する責任)取扱説明書に従い、正しく使用しているにもかかわらず、すぐに壊れてしまった製品の製造業者に、改善を求める手紙を書いたり、電話をかける。
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自分の消費行動が社会(特に弱者)に与える影響を自覚する責任
(社会的弱者に配慮する責任)商品を購入するときに、その商品がどのようにして作られ、公正な価格で取り引きされたものかなどを考えて選択することが、商品を生産する人たちの暮らしや社会全体に影響を与えることを自覚する。
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自分の消費行動が環境に与える影響を自覚する責任
(環境への配慮をする責任)環境に配慮した商品を購入したり、エコバックやマイカップを携帯するなど、ごみを減らすことを考える。
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消費者として団結し、連帯する責任
悪質商法や製品事故の被害に遭った人が、力を合わせて、被害を回復する行動を起こしたり、新たに被害に遭う人が出ないように情報提供等を行う。
※消費者庁発行「消費者センスを身につけよう」から