持続可能な社会のために
資源・環境と衣服
衣服を作るためには、多くの資源やエネルギーを消費します。
たとえば、合成繊維の主な原料は石油。その石油の埋蔵量には限りがあるといわれています。衣服の原料に、とうもろこしや竹などの、成長速度のはやい植物も利用されはじめていますが、これらの新しい原料を開発するためにも多くのエネルギーが必要になってきます。
これからも豊かな衣生活を送るために大切なのは、資源を無駄にしない消費を考えること。必要以上に衣服を購入すると、限られた資源が無駄になってしまいます。流行りの衣服を短期間で買いかえるのではなく、お手入れしながら長く大切に着たり、再利用や処分の方法を考えたりすることも資源を守ることにつながります。

ファストファッションの裏側では...
ファストファッションとは、最新の流行を取り入れた商品を安く売り、短いサイクルで生産・販売するファッションのこと。安く購入できる反面、多くの問題もあります。ファストファッションの生産拠点のほとんどは、発展途上の国々。そこでは、商品を低価格に抑えるために、労働者の多くが低賃金で劣悪な環境で働かされているのです。
2013年、バングラデシュの縫製工場が倒壊し、1,134名が亡くなるという大事故が起こりました。
これは、工場経営者が労働者の安全よりも、商品の生産性を優先し、安全基準を満たさない狭い工場で、約3,000名もの従業員を働かせていたことが原因といわれています。
この事故を機にファッションへの考え方も世界で変化してきました。安いから買うのではなく、製造の背景を考えて、商品を選びましょう。

環境に配慮した衣生活の工夫
資源や環境に配慮した衣生活を送るために、私たちにできることは何でしょう。日々のお手入れや洗濯時のひと工夫でエシカルな衣生活を送ることができます。
やさしいケアで長持ちさせる
衣服に使われている素材や着心地を確認し、素材に適したお手入れや洗濯をすることで、長く着られるようになります。製法や生地がしっかりした衣服を選ぶことも大切です。また、ドライクリーニングや乾燥機のかけすぎには気をつけましょう。
お直しで長く着る
少し古くなっても、最新のトレンドを取り入れてお直しすることで、長く着ることができます。ボタンの付け替えなどで印象を変えれば、新しい衣服を買わなくても衣生活を楽しむことができます。
バザー・フリーマーケットの有効活用
古着の購入は、衣服の廃棄を減らし、ライフサイクルを長くすることに貢献します。流行のものばかりではなく、古着のなかからお気に入りの一着を見つけるのも、おしゃれの一歩かもしれません。
衣服の寄付をする
寄付を受けつけている団体や施設を探して、着なくなった衣服を寄付してみることも考えてみましょう。寄付した衣服が途上国支援や困窮者支援などに活用されています。